2014年4月28日月曜日

自動作曲所感

自動作曲ってどこまで可能なんでしょう。

今ある自動作曲というのもかなりのクオリティの「楽譜」を作ることができるようです。試したことのない方はこちらより試せます。

Orpheus

これらの、現状の自動作曲とは素晴らしい音楽をボタン一つで作製するというものではなく、簡単な音楽を簡単に作れるようにするというものです。

さて、とりあえず現状どんな用途がありますでしょうか。

上記のように簡単な音楽は本当にボタン一つで作れてしまいます。例えば面白いフリーゲームを作りたいけどBGMが作れないという時にはかなり便利だと思います。今まではフリー素材を使うしかなかったのに対して一応?オリジナルの曲を用意できます。

そういう意味で非常に意味のあるアプリケーションでしょう。一部の人しかできなかったことをオープンにするというのは気持ちのいいものです。

また、元々作曲をしているという人にも有用なもののようです。適当に作曲させて面白いフレーズが出てきたら自分の曲に使うことができます。

産業的なインパクトは結構大きくなっていくんじゃないでしょうか。だけれども「自動作曲」の名を冠するには大きな懸隔があるように思えます

…というのはクラシカルな音楽が好きな人間だけでしょうが、それでも言わせて下さい。

いまの自動作曲が単独でアートを作ることはないでしょう。アートというと表現するということですが自動作曲のアルゴリズムにそういうものはありません。(そもそもアルゴリズム単独でアートというのが可能なのか。)「元気な」とか「ロック」とかの指定は出来ますが。

CGにおける河口洋一郎先生のような方も出て来るかもしれません。しかしそれにはツールを設計するところまで含めてのプロセスになるでしょう。

また、作曲というのは音程とリズムだけではありません。そういう曲ももちろんいくらでもありますしそれらも音楽ですが、曲想や音色と切り離して音程・リズムがあるというのはちょっとしっくり来ません。現状このあたりは暫定的にツールが用意したパターンを引き出しているだけですが、これらもアルゴリズムで計算できないものでしょうか。

今の人工知能一般の限界として、人間が評価するものは人間の方がうまく作れるんでしょうね。将棋とかなら勝ち負けという与えられたルールがありますが、音楽において良い音楽というのを定式化するのは非常に難しいです。そもそも良い音楽を作るのが目的じゃないという人もいるでしょうし、うーん。

結局、クオリティを求める音楽は自動作曲をツールとして使っても人間が作ることになります。それでも万々歳ですがコンピュータの人としてはもう少し威張りたいものですね。


でもやっぱり、世界に一番インパクトを与えるアーティスト?というのは初音ミクになるでしょう。その初音ミクの楽曲に豊かさをもたらす技術というのはやはり偉大だと思います。

とりあえず10年後、どうなるか。

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